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下山して玉蜀黍の畑行く
◇光
下山して玉蜀黍の畑行く
前歯にて玉蜀黍にかぶりつき
⇒助詞を補わないと解釈できない句。畑(に)行く。手入れか収穫に畑に行く。畑(を)行く。下山して玉蜀黍畑の側を通る。まさか畑(が)行くではないだろうが。
かぶりつくのは普通は前歯でではないのですか。わざわざなぜ前歯と。
満天の星を横切る流れ星
「盆」 盆のつく季語ならどれでも。盆の月、盆花、盆踊、など。
「流星」 流れ星
「西瓜」
「赤のまんま」 赤まんま。タデ科の一年草
「秋扇」 秋団扇。
私の句。
満天の星を横切る流れ星 光
まーゆ○そんな素晴らしい空みてみたい。まさにプラネタリウム。
夢路 ○八ヶ岳のホテルで流星群を見るツアーに行きました。残念ながら雲がかかり星が全く見えませんでした。しかし自分にとって満点の星を横切る流れ星群の雄大なイメージをはっきりと感じる事が出来ました。酔いが回ったのかも。
:八ヶ岳の山小屋で寝ていたら皆が騒ぐので外に出たら流星が満天の星の間を次々と飛ん
で行った。選者に同じ感じを持っていただき嬉しい。
猫通る抜け道先の赤まんま 光
あゆか○毎日猫の通るお気に入りの道は赤のままが友達のようです。
:隣の家との抜け道。猫も赤まんまに気は付いてるかな。
浄土より次男迎えし盆の月 光
蒼月 ○祖先の霊を祀るお盆の時期であるが、逆縁の霊を祀る気持ちが「盆の月」で静かに伝わる。
:今も悲しみは失せない。
天井の模様眺めし秋団扇 光
遊介 ○何故目線が上にいったのか想像が膨らみます。照れなのか困惑なのか策戦なのか?
:うーん、単に体調不良で寝て見上げてる景。
喜寿過ぎてがりつと噛むや西瓜種 光
三四郎△喜寿をすぎても我にはがりっと噛む歯が確かにある。噛むべき相手もある。
:自慢の歯を詠んでみた。
聖堂の佳人の髪と秋扇 光
:Sさんを歌ったが選んでもらえなかった。
特選句。
人の居て華やぐ盆の墓場かな 勝山
あかね◎日頃静かな墓地もお参りに来る人で賑わい故人を祀るそんな光景をそのまま詠んでいるのが良いと思いました。
まーゆ○お墓が「華やぐ」が新鮮。お墓参りに行って、どのお墓にもお線香や花が添えられているのを見ると先越されてみたいで、早く来ればよかったと心中謝りながら墓掃除。
あゆか△中七「賑わう」でも。
蒼月 *墓場で「華やぐ」は少し違和感がありました。
三四郎*華やぐははでであざやかという状態だから墓場には似つかわしくない言葉つかい。
祈りより深き黙あり盆の月 あゆか
はな ◎お盆はとりわけ送り出した人達との思い出が浮かびます。
まーゆ○大切な故人を思いながら、そばに居て一緒に語っているような「深き黙」。
糸 ○湿度のせいか黄色味が幾分薄いような盆の月、深い黙が響いている。
さら ○深い思いをする時、何も言葉は出ないものです。幸せは失ってはじめてわかります。その中にいるときはわかりません。
三四郎○無念なのか悔恨なのか言葉にはできない思いをたたえてただ座っている盆の座。
空海の山に昇るや盆の月 三四郎
あゆか◎修行の山から拝する月は一際神々しい光を放っていることでしょう。高野山ですかね「空海の山」が良かった。
糸 ○こちらの山は空気が澄んでいそうです、盆の月が穏やかに包んでくれそうです。
蒼月 ○空海の山は高野山だろう。高野山と盆の月、いい取り合わせである。
遊介 ○高野山ですね。盆の月に照らされた山々に加えてそこに宿る超自然的な精霊をも想像させる句だと思います。
野里子○数年前の三四郎さんの句(柿簾)の前段のようです。
ひと呼吸後れし叔父の盆踊り 遊介
さら ◎叔父さんの踊りはどうも人よりワンテンポずれている。しかり本人は何も気にせず淡々と踊り続ける景がよく見えます。
勝山 ○叔父さんの人柄がわかるような句。「後れし」よりも「後れる」の方がよいのでは。
馬空 ○年をとるとこういう人が、多くなります。ユーモラスで俳諧味がありますね。
三四郎○少し遅れる自分の所作を気にすることもなくにこにこと踊りの輪の中にいる叔父さん。
盆路やバケツに砥石沈ませて 野里子
夢路 ◎母の実家に戻り、墓地に行く道が綺麗に草を払われているのが夜道でもわかりました。精霊を迎えるために村人が鎌で綺麗にしてくれたのですね。
あゆか○まず鎌を砥ぎ草を刈り仏様を迎える様子が良く出ている。
三四郎○刃物を研ぐ前には砥石に水を含ませる。これから仏様を迎える道の草刈だ。
糸 *景がよく分かりました。
蒼月 *盆路とは家から墓までの道の草を刈り道を整えることとある。その時、バケツに砥石の意味がわからなかった。
さら *バケツに砥石を入れてなにをするのですか。
星流れひとつ童話も読み終えて あかね
野里子◎幼子への愛情がひしひしと感じられる。ふと夜空を見上げると流れ星。丈夫に育つように願ったかもしれない。
糸 ○心温まる時が流れます、そんな中で子供も成長します。
蒼月 △子供に童話を読み聞かせ、ふと空を見上げると流れ星が見えた。都会では経験できない、美しい世界である。
馬空 △原因と結果の散文的です。星流るか流星やで有れば、○でした。
大の字に見上ぐる空に流れ星 蒼月
勝山 ◎高原の夜、草原に寝転んで満点の星空を見上げている。すると、不意に流れ星が横切った。こんなふうに流れ星を見てみたい。
はな ○大自然の中で解放され、まじかに宇宙を感じますね。
光 ○山小屋で良くある風景。実に気持ちが良い。
あゆか○夜の浜辺か、パノラマの世界が美しい。
流星の涯なる知床岬かな あゆか
三四郎◎流星が落ちて帰ってゆくところが日本の涯の知床岬とは。ロマンがある。
あかね○知床岬の雄大な空に流星がみえてとてもロマンティックな光景なので気持ちが良いです。
はな ○はるか遠くより知床岬を観ているのであろう、その上には流れ星の落ちる涯が見える程の広い景である。
蒼月 ○知床岬で見る流星はさぞかし美しいだろう。日本列島の果てと流星が燃え尽きて落ちていく先がシンクロしているかのようだ。
遊介 △大きな景を読み取った句です。
屋上の闇に独りや流れ星 野里子
遊介 ◎夢中になって星を眺めていたら、暗やみに一人取り残されているような気持ちになった。天空からみればちっぽけな私。
夢路 ○こんな事もあります。学生時代に何とか今の状況を乗り越えなければ、しかし相談する相手もいない。団塊の世代はこの様にして自分を鼓舞していたのかも。
あゆか○瞑想に耽ったり星を観るのは独りが一番です。
はな △家族は恋人は興味なかったのか?昔の理科好き子供に戻ってしまいました。
からからと井戸より上がる西瓜かな 夢路
まーゆ◎西瓜が井戸に落ちたら、どうやって取ろう、あきらめるか。それでみんなからワーワー言われる~、などと思いながら。
蒼月 ◎井戸水を汲む桶に西瓜を入れて冷やしていたのだろう。「からから」というのが臨場感があっていい。西瓜は紐で括って落ちないようにしていたのだろうかと妙な心配をしてしまった。ちなみに私の祖母の居た田舎の井戸には手押し式のポンプがついていたので、釣瓶と桶で汲む経験はしたことがない。
光 ○子供の頃はこれを待ちかねた。
野里子△昔懐かしい景。西瓜を上げるので、つるべはからからとしないかもしれませんが。
三四郎△井戸で冷やした西瓜は美味い。
あゆか△釣瓶井戸の冷気が伝わって来ますが、今はあまり見かけなくなりましたね。
西瓜割る社員五人の鉄工所 三四郎
馬空 ◎小さな鉄工所の営みが旨く表現されています。季語との対比がとても良いですね。
さら ○大きな西瓜をたった五人で分けるのでは一人分は大きいですね。全員が家族のような親しい鉄工所ですね。
はな ○切るではなく割ることを提案でもしたのであろうか、若者の存在を感じる活気あふれた鉄工所であろう。
蒼月 ○エアコンなどない鉄工所。天井が高く扇風機がクーラー替わりである。首にタオルを巻いて汗をぬぐって一服するときの冷えた西瓜は何にも増してごちそうである。こういう町工場が日本の経済成長を支えてきた。
野里子○家族的な会社を表現。西瓜の柔らかさと鉄工所の対比。
遊介 ○社長のひと言で今日の休憩時間は西瓜割り。錆びた鉄製品が積み上げられる工場の片隅でぼかん!と威勢よく割る。気持ちは給料上げよ!かもしれない。
あゆか○ほっと一息入れている憩いの時間が良いですね。
みよちやんも孫ができたと赤まんま 三四郎
光 ◎幼き日に赤まんまを並べておままごとをしたみよちゃんもお婆さんになったなあ。もう随分あってないなあ。
あかね○みよちゃんと呼んで幼馴染なのでしょう。そんな友人にも孫が出来たと大体の年齢がわかり二人の関係が赤まんまと言う季語で優しさ・懐かしさが伝わります。
野里子△ままごとをした幼友達にも孫ができた。長い年月が経っても赤まんまは今もこの地に。
商談の決まれば仕舞ふ秋扇 勝山
あゆか◎落ち着かない様子で扇子を使う感じが良く出ていて面白い。商談成立で良かった事。
光 ○決まってやれやれと秋扇をしまう。現役の頃、良く経験した。
庭のオキザリス。Sさんの撮影。
百日紅。
コバノランタナ。
Hrさん
蒲柳
終戦記念日
リウマチ
リウマチ科
針灸
赤錆びた線路の続く夏の果
兼題は馬空さん出題の「夏の果」。
三四郎さんによれば、今年は猛暑続きで、夏終る?うそだろ!と言いたい暑さです。でもこんな中で無理やり夏の果の気分を詠むのが俳人です。:凡人はなかなかそういう気分になれず苦吟。
◇光
利き腕に皺の寄りたる夏の果
赤錆びた線路の続く夏の果
⇒さらさんの第二句によく似た句ですが、こちらは手ではなく腕です。右利きなら利き腕は右ですが取り立てて利き腕と限定したのはなぜ? また夏の果とどういうふうに響くのかよくわからない。
この線路は廃線かも知れません。確かに錆びた鉄は線路に限らず晩夏を感じさせますね。
勝山さん選。
赤錆びた線路の続く夏の果
今、こういう光景はあるのでしょうか。
昔小樽の町をうろついた記憶が蘇りました。
はなさん選。
赤錆びた線路の続く夏の果
廃線か?季節限定運行の鉄道か?赤錆が季語に合っている。
蒼月さん選。
赤錆びた線路の続く夏の果
⇒北海道の廃線だろうか。人影の絶えたローカル線の寂しさは夏の果とよく響きあっている。赤く錆びtた線路はかげろうで歪んでいるのかもしれない
:リウマチからくる夏バテで痩せてきた。特に利き腕の筋肉が落ちて皺が寄ってきた。夏の果に悲しい。
赤錆びた線路はハイキングの途中や旅行中によく見かけた。直近ではハイキングの際、木材運び用のトロッコの廃線が続いてるのを見た。
私の選句。
◇はな
思い出もありませんのよ夏終る
⇒ほんとにそう。長梅雨がやっと終わったと思ったらあっという間に夏の果。今年は思い出をつくるいとまもなかったですね。口語が面白い効果をあげている。
:素直に詠んでる。今年は特にそうなりそう。
◇勝山
押し花の乾ききりたる夏の果
⇒夏山で採集した花でしょうか。押し花にしたら暑さのなかですっかり乾いてしまった。思い出の花です。
:押し花の乾ききったのと夏の果が良くあってる。
◇蒼月
二人いてシャッター街の夏の果
⇒この二人は作者ともうひとり? それとも作者がみかけた二人連れ? どちらととるかで物語が変わってきますがなんとなくもうすぐ別れるような予感がする。
:シャッター街に二人を詠んだところが面白い。
◇馬空
民宿の客は一組夏の果
⇒海か山の民宿でしょう。真夏はにぎわっていたが客足も途絶えてきた。今年の夏も終わりだな。
:学生の頃、夏休みの終わりに旅行して良く出会った景。
◇さら
夏の果てディープインパクト逝くと言ふ
⇒国産馬の最高傑作と言われたディープインパクトです。亡くなったニュースは確かにひとつの時代の終りを感じさせるものでした。晩夏に逝くというのもこの馬にふさわしい。
:ディープインパクトを詠みこんだのは素晴らしい。
◇三四郎
ゆく夏の女の上る男坂
:男坂はきつい登りだが、女性が夏の終わりにもくもくと登ってるのが眼に浮かぶ。
Sさんの梅干し。今年もありがとう。
雀が水を飲みに来た。
ポンテテリア。